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令和6年度 施政方針

ページID:0012263 更新日:2024年2月28日更新 印刷ページ表示

 令和6年第1回安中市議会定例会に当たり、議員の皆様及び市民の皆様に対し、令和6年度における施政方針及び重点事業について申し上げます。

はじめに

     はじめに、本年元日に発生しました能登半島地震におきまして、犠牲になられた方々に改めて心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。そして、一日も早く復興がなされることを願い、本市といたしましても、被災地支援のためにできる限り協力してまいります。

 さて、本市におきましては、これまで様々な事業やイベントなどに関し情報発信を強化してまいりました。定例記者発表については、4年7月から月1回を月2回に増やし、5年の発表案件は3年と比較して4倍以上の件数となりました。報道機関にも数多く取り上げていただけるようになったため、市内外の方々から本市の取組がよくわかるようになったとのお声をいただいております。
 また、総務省が本年1月に公表した「住民基本台帳人口移動報告2023年結果」では、県内12市中5市が転出者よりも転入者が多い転入超過でしたが、本市も89人転入超過となり、5市中4番目でした。本市が当該統計データで転入超過となったのは、東日本大震災のあった2011年の1人を除きますと、1996年以来27年ぶりとなりました。
今後も各種のツールを用いて情報発信を続け、本市の魅力度を高めるとともに、「住んで良かった」と市民が誇れるまちを目指してまいります。
 このため、新年度は、新たなまちづくりのスタートを切る「まちづくり元年」と位置付け、市民の幸福度の向上を図ってまいります。

 本市の財政状況につきましては、社会経済活動の正常化が進み、景気が緩やかな回復基調にあるものの、これを超過する歳出の増加が見込まれています。社会情勢や物価高を背景に人件費、燃料費、光熱水費などの経常的経費が増加していることに加え、庁舎建設、老朽化した公共施設の大規模改修、デジタル化の推進など多くの財政需要が見込まれており、将来にわたり持続可能な行財政運営を行うためには、今よりも更に踏み込んだ歳出削減に取り組む必要があります。
 一方で、本市における最重要課題は人口減少であると認識しております。人口減少対策には、少子化対策や子育て支援策の拡充、産業団地の整備などソフト面・ハード面双方からあらゆる政策を総動員し、市民が誇りをもって生活できるまちづくりが必要であると考えております。
 このようなことから、今後も市民の期待に最大限応えていくため、新年度の予算は、「選ばれるための政策総動員予算~市民プライドの醸成と進化へ~」と名付け、政策を積極的かつ効果的に実施してまいります。
 そこで 、市政発展と強靱で持続可能な行財政運営の両立を目指した結果、一般会計の予算規模は、前年度比9.9%増の288億4,700万円となりました。また、公営企業会計を除く特別会計につきましては、 前年度比1.0%減の合計141億9,198万円、公営企業会計につきましては、前年度比11.9%増の81億4,693万7千円といたしました。
 財源の見通しといたしましては、市税は前年度比1.5%増の104億3,314万9千円、地方交付税は前年度比21.1%減の22億5,000万円、市債は前年度比162.5%増の32億8,590万円を見込んでおります。また、6年度末の市債残高は5年度末見込みと比較し6.0%増の189億円を予定しております。市単独事業を極力減らし、国・県の財源を活用するなど歳入確保に努め、真に必要な施策を積極的に盛り込んだ予算編成となっております。

新年度の最重点事業

 まず、新年度における最重点事業を申し上げます。

 1つ目は、新年度から始まる「第3次安中市総合計画 あんなか まちづくりビジョン2024」の進行管理及び市民への周知です。この計画は、市の最上位計画でありますので、適正な進行管理に努めるとともに、若者も含めて多くの市民に知っていただくため、紹介動画の作成に加え、未来を担う子どもたちにも読みやすくかつ分かりやすい漫画版も作成し、市民へ幅広く周知してまいります。

 2つ目は、「あんなか再起動プロジェクト」における進捗管理です。本プロジェクトについては、全庁的な取組として、分科会及び本部会議において公約実現に向けての協議を重ね、公約達成へのプロセスを明確化し、進捗状況の管理を進めています。97項目の公約事項を掲げ、最新の進捗管理では、達成目標年度を5年度までとする「短期」の位置付けは43項目、7年度までとする「中期」の位置付けは38項目、8年度以降とする「中長期」の位置付けは16項目としております。このため、今年度末の達成率は約44%となる見込みです。新年度は達成目標を「中期」に位置付けた項目の早期達成に向けて全庁を挙げて取り組むとともに、達成目標を「中長期」に位置付けた項目についても、引き続き進捗管理を徹底してまいります。

 3つ目は、庁舎建設事業です。現在進めております実施設計を基に、新年度は建設工事などの業務を進めてまいります。原材料価格の急激な上昇や労務単価の見直しなどが、事業費に大きな影響を及ぼしておりますが、可能な限りコストを抑え、将来の財政負担を減らすことを最優先としつつ、環境に配慮し、新しいまちづくりの核となる“既存庁舎を活かした機能的で「シンプル・コンパクト」なSDGs型庁舎”を目指し、7年度中の完成に向け着実に推進してまいります。

 加えて、国指定重要文化財であり本市を代表する観光の名所である「旧碓氷峠鉄道施設」を含めた碓氷峠鉄道施設群の世界遺産登録に向けての取組を進めてまいります。
 この鉄道施設群の世界遺産登録の可能性を検証するため、国内の鉄道遺産、文化財保存修理、交通史などの6名の有識者を招いて検討会議を開催した結果、「世界遺産に登録されるための道のりは容易ではないが、碓氷峠の鉄道施設群は登録のための条件が整っており、体制を整えてその実現に取り組むことを求めるものである。」との提言書を連名でいただきました。
 これを受けて、本市では1月にプロジェクトチームを組織し、引き続き、有識者からの助言をいただきながら世界遺産登録に向け推進してまいります。これにより地域の活性化を図り、本市の主たる観光地である「碓氷峠」を日本全国のみならず世界に向けて発信してまいります。

第3次総合計画(案)における7つの基本目標

 さらに、今定例会に議案として提出いたしました「第3次総合計画(案)」では、まちの将来像を「住んで良かった 豊かで魅力ある元気な 新しいあんなか~さらに、光り輝くまちへ~」とし、将来像を実現するために7つの基本目標を掲げております。

基本目標1は「未来を担う 子どもたちが健やかに育つまち」
基本目標2は「支え合い 誰もが健康長寿で暮らしやすいまち」
基本目標3は「安全・安心で心地よく 住み続けられるまち」
基本目標4は「自分らしく 心豊かに暮らせるまち」
基本目標5は「豊かな自然を活かし 快適で住みやすいまち」
基本目標6は「経済が活性化し 元気で魅力にあふれるまち」
基本目標7は「市民のための健全な行財政運営と 市の魅力向上」です。

 それでは、各目標における施策につきまして、新たな事業を中心に具体的に申し上げます。

 

1 未来を担う 子どもたちが健やかに育つまち

 はじめに、基本目標1「未来を担う 子どもたちが健やかに育つまち」について、次の施策を推進してまいります。

 子育て世代への経済的支援につきましては、出産・子育てに要する負担の軽減として、5年1月から国県の補助により開始された応援給付金に、市の独自の施策として出産・子育てのための給付金を大幅に上乗せし給付してまいります。
また、保育施設などの副食費につきまして公定価格を上限にした無償化を実施してまいります。
さらに、ひとり親家庭に対しましては、学童クラブ利用料の半額化やファミリー・サポート・センター利用料の補助も実施するなどの経済的支援を行ってまいります。

 出産・子育てを支援する体制づくりにつきましては、妊娠中の母親をはじめ、未就学児とその家族を対象に、さまざまな診療科の医師に心や体の悩みに関して24時間365日相談できる医療相談アプリを導入し、出産・子育て支援の充実を図ってまいります。

 保育園・子ども園の支援につきましては、保育士確保対策事業として、年度途中からの入所児童の増加に備え、年度当初から採用する保育士の人件費を対象に補助金を交付し、保育士の雇用を支援してまいります。

 子どもが健やかに成長できる環境づくりにつきましては、ヤングケアラーの支援に関する基本理念を定める「ヤングケアラー支援条例」を制定するとともに、ホームヘルパーの派遣など必要な支援に取り組んでまいります。

 子どものための施設整備につきましては、あんなかスマイルパークと米山公園に、体に障がいのある子どももない子どもも一緒に遊ぶことができるインクルーシブ遊具などを新設してまいります。

 高校生世代までの医療費無料化につきましては、本市では5年1月から段階的にスタートし、5年10月からは県においても、子ども医療費の助成対象が高校生世代まで拡大されました。将来を担う子どもたちが安心して必要な医療を受けられるよう、引き続きこの制度を運営し、子育て家庭を支援してまいります。

 結婚支援につきましては、希望しながらも経済的な理由により結婚に踏み切れないカップルを後押しするため、新生活のスタートに必要な住宅取得費用や賃借費用、リフォーム費用などに対して補助を行い、新婚世帯が抱える経済的な不安の解消を図ってまいります。

 

2 支え合い 誰もが健康長寿で暮らしやすいまち​

 次に、基本目標2「支え合い 誰もが健康長寿で暮らしやすいまち」について、次の施策を推進してまいります。

 社会福祉の推進につきましては、8年度からの地域福祉の施策に関する「第4次地域福祉計画」の策定に向けて、新年度は各地域において座談会の開催や市民へのアンケート調査の実施など計画策定の作業を進めてまいります。

 ひきこもり支援につきましては、ひきこもりに関する講演会、ひきこもり当事者会の実施や、相談窓口、支援機関の情報発信などを行い、本人だけでなく家族全体への支援に取り組んでまいります。

 高齢者への支援につきましては、介護予防、認知症予防の推進に対する市民の理解や意識の向上を図るとともに、民間活力やAI技術などを活用することで、介護・認知症リスクのある高齢者を早期に把握し、適切な支援やサービスの提供につなげるための体制を構築してまいります。
 また、新年度から安中地域におけるタクシー利用券の利用枚数や補助額を見直し、利便性の向上を図ってまいります。

 障がい福祉の推進につきましては、新年度から始まる障害3計画である「第4期障害者計画・第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画」に基づき、障がいの有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合い、共に支え合いながら暮らすことができる地域共生社会の実現に向けて取り組むとともに、広くノーマライゼーションの理念を周知してまいります。

 公立碓氷病院の充実につきましては、小児科において、4年8月から常勤医師1名を配置しておりますが、新年度から常勤医師がさらに1名増える予定であり、加えて、現在常勤医不在の歯科口腔外科も常勤医師を確保できる見込みとなりました。
 さらに、診察案内表示システムおよび自動精算機などを導入し、患者の個人情報保護と利便性の向上、事務の効率化を図ってまいります。
 また、公立碓氷病院の名称についても検討してまいります。

3 安全・安心で心地よく 住み続けられるまち​

 次に基本目標3「安全・安心で心地よく 住み続けられるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 防災対策につきましては、高齢者や障がい者など、自力での避難が難しい方の迅速かつ円滑な避難の確保を図るため、地域や関係団体と連携し、個別避難計画の作成を進めてまいります。また、市民の適時・適切な避難行動を促進するため、防災行政無線を更新するとともに、さらなる情報伝達手段の強化と多重化に努めてまいります。
 新年度は、市総合防災訓練の実施を予定しており、関係機関や協定先、自主防災組織や地域住民が参加することにより、相互の連携強化と防災意識の向上を図るとともに、災害対応力の強化を図ってまいります。

 雨水対策につきましては、近年の激しい気候変動を踏まえ、1000年に1回程度の確率で発生する大雨を想定した浸水想定区域図を新年度に作成し、市民への周知を図ってまいります。

 地域防災力の中核となる消防団の充実につきましては、新年度から外国人機能別団員制度を導入し、有事の際には、避難所における外国人の通訳、情報伝達及び物資配布などをはじめとした支援、平常時においては、外国人への災害に対する啓発を行ってまいります。

 防犯対策につきましては、児童の安全確保や市民の防犯意識の醸成などを目的としたランニングパトロールを市民や団体の協力を得て充実させ、地域における防犯力の向上を図ってまいります。また、高齢者世帯の防犯対策として、家庭用防犯カメラやインターホン、特殊詐欺電話対策装置の購入に対する補助制度の積極的な周知を図り、特殊詐欺被害などの防止に努めてまいります。
 さらに、交通事故の多発地帯や犯罪の発生が懸念される街頭などに防犯カメラを設置することにより、市民の権利や利益の保護を図り、安全で安心な地域社会の実現に取り組んでまいります。

 現在策定中の「都市計画マスタープラン」、「立地適正化計画」、「地域公共交通計画」の3計画につきましては、それぞれに「まちのまとまり」の維持と、それらをつなぐ公共交通ネットワークの形成を位置付け、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方に基づく集約型都市構造への転換を図ってまいります。
 その具体的な取組として、西毛広域幹線道路とJR信越本線との交差部周辺において、商業系用途地域指定に向けた取組を進めてまいります。
 また、これに関連して、JR信越本線の安中駅と磯部駅間への新駅設置に向けた検討を進め、新年度は「新駅周辺まちづくり検討事業」として、鉄道利用実態の把握や周辺まちづくりの規模や機能の検討、鉄道需要予測などの調査・検討を進めてまいります。

 都市計画道路の整備につきましては、西毛広域幹線道路の11年度全線開通を控え、市役所周辺道路の更なる渋滞が見込まれることから、渋滞緩和や歩行者の安全を図るため、新年度から下の尻茶屋町線に着手してまいります。
 また、新年度から都市計画道路の見直しに着手し、検討対象路線の選定や、市民からの意見聴取など、必要性・実現性の検証を行ってまいります。
 さらに、長期未着手路線についてそれぞれ存続、変更、廃止の評価を行い、必要に応じて都市計画を見直してまいります。

 公共交通の市内全域への展開につきましては、5年度に「地域公共交通計画」の策定に着手しましたが、新年度は、公共交通の課題の整理や、基本方針・目標の設定などを進め、それらに基づき実証実験に取り組んでまいります。
 また、車両運行へのAIの導入やサブスクリプションなどの新しいライフスタイルへの対応、MaaSの展開など公共交通のDXについても検討を進め、より親しみやすく便利な公共交通の展開による持続可能なまちづくりを目指してまいります。

4 自分らしく 心豊かに暮らせるまち​

 次に、基本目標4「自分らしく 心豊かに暮らせるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 GIGAスクール推進につきましては、各教科などの目標の達成に向けた効果的なICT活用の在り方を考えるとともに、ICT化の視点で業務を見直し、教職員が子どもたちと向き合う時間を増やすなど、学びの質を高めるための教育DXを推進してまいります。

 英語教育指導につきましては、ALTや英語指導支援員を全小中学校へ配置し、外国への興味・関心を高め、外国語科・外国語活動の授業を充実させるとともに、学校生活においてALTなどと児童生徒が直接関わることにより、児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の向上を図ってまいります。また、夏季休業中に語学力向上を目的としたALTなどとの交流事業を実施してまいります。

 教育環境の充実につきましては、安全かつ快適な学習環境を最優先として、適切に整備を進めてまいります。
 特に松井田学校給食センターでは、食物アレルギーをもつ児童生徒が安全に楽しく食べられる給食を提供するため、「調理場内の施設整備」と「人員体制の整備」及び「食物アレルギー対応マニュアルの作成」を実施してまいります。

 男女共同参画の推進につきましては、新年度から始まる「第4次男女共同参画計画」に基づき、家庭や職場、地域活動などあらゆる分野における性別役割分担意識を解消するため意識啓発に努めてまいります。また、審議会などにおける女性の登用や男性の育児休業取得に積極的に取り組んでまいります。

 スポーツ振興につきましては、50回の節目を迎える安政遠足侍マラソン大会において、さらに多くの方に参加していただけるように「松井田宿コース」を新設いたします。また、記念大会としてゲストランナーを招待し、4年ぶりとなる前夜祭などの各種のイベントを計画してまいります。
 さらに、自転車による「碓氷峠ヒルクライム大会」を実施し、本市のPRやスポーツツーリズムによる地域の活性化に向けた取組を行ってまいります。

 スポーツ施設の整備につきましては、安中体育館を改修するとともに、西毛総合運動公園陸上競技場の競技環境の改善を図るため、インフィールドの人工芝化に着手してまいります。

 文化財の保存活用につきましては、東山道駅路などが発見された町北遺跡において、未調査部分の調査を進めてまいります。
また、県史跡に指定された後閑3号墳、下増田上田中1号墳の「保存活用計画」を作成するため、準備を進めてまいります。

 歴史の道に選定された「旧中山道碓氷峠越」につきましては、碓氷関所跡とともに国指定史跡の審議会に上申できるよう、取り組んでまいります。

 ふるさと学習館の企画展につきましては、本市の文化財を紹介する「ふるさとの至宝 第2弾」を開催し、第1弾では紹介しきれなかった文化財や追加で指定された文化財を紹介してまいります。

 郷土愛の醸成につきましては、小中学生向けに「義務教育版あんなかふるさと人物事典」を新たに刊行し、郷土の偉人や本市の歴史を学ぶための一助となるよう、作成してまいります。

5 豊かな自然を活かし 快適で住みやすいまち

 次に、基本目標5「豊かな自然を活かし 快適で住みやすいまち」について、次の施策を推進してまいります。

 再生可能エネルギーの利用促進につきましては、「地球温暖化対策実行計画」に基づき、住宅用スマートエネルギーシステムの設置促進に向け補助金を交付しておりますが、新年度は補助対象機器の拡大を検討してまいります。

 住宅の省エネ化につきましては、「省エネ型ライフスタイルの推進」を図るため、新年度から住宅省エネ改修補助制度を創設し、既存住宅において「家庭でできる省エネルギー化」を促進してまいります。

 ごみの減量化・再資源化につきましては、さらなる意識啓発に取り組むとともに、碓氷川クリーンセンターにおいて再資源化施設(ストックヤード)の設置に向けた調査を進めてまいります。なお、碓氷川クリーンセンター内のし尿処理施設における運営コスト削減に向けた取組として、下水道繋ぎ込みに関する調査・検討を実施してまいります。

 空き家対策につきましては、デジタル技術の活用や補助制度の拡充などにより、空き家バンクの有効活用を推進するとともに、若年層の移住・定住にも結び付くよう、取組を進めてまいります。

 動物愛護につきましては、「あんなか5つのゼロ宣言プラスわん」に掲げた、犬・猫の殺処分ゼロを目指すなかで、ペットの不妊・去勢手術の必要性を周知し、手術費用の一部補助事業のさらなる拡大を図るとともに、動物愛護団体と連携しながら、飼い主のいない猫を保護し、手術後に元の地域に戻して管理するTNR活動を推奨してまいります。また、動物愛護条例の見直しを進め、人とペットが共生・共存できる動物にやさしいまちを目指し、取り組んでまいります。

 市民の生命線である水道につきましては、「水道事業ビジョン」に基づき、将来にわたり安全で安心できる良質な水の確保・供給体制を維持し、整備・更新を進めてまいります。
 また、水道事業創設70周年を迎えることから、ボトルドウォーターやマスコットキャラクターの作成をはじめ、施設見学会、水道事業紹介動画の作成、配信などの記念事業を実施してまいります。

6 経済が活性化し 元気で魅力にあふれるまち​

 次に、基本目標6「経済が活性化し 元気で魅力にあふれるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 産業団地の整備につきましては、郷原地区などの産業団地候補地において、基礎的調査を実施するなど、開発に向けた事務を進めており、新年度におきましても、地権者との調整や必要な調査などを行うとともに、産業団地の早期整備、分譲に向け、関係機関と連携して準備を進めてまいります。

 市内企業のPRにつきましては、市ホームページとは独立した特徴のある企業紹介サイトを立ち上げ、新年度に募集する地域振興リノベーター(地域おこし協力隊)と連携しながら各企業の特徴ある魅力を紹介してまいります。

 創業支援につきましては、創業に係る費用に対する補助金の交付制度を新設し、より創業しやすい環境を整備するとともに、市外からの転入者が市内で創業を行う場合には補助金の加算を行うことで、「創業するなら安中市」といったイメージを広く発信し、生産年齢人口の増加並びに市内産業や市内観光地の活性化を図ってまいります。

 農業の成長産業化に対する支援につきましては、ロボットやAI、IoTなどの先端技術やデータを活用したスマート農業を推進し、農家の労働負担の軽減と生産性の向上、コスト削減の取組とともに、地域ブランド化や地産地消の取組について支援してまいります。

 養蚕振興につきましては、国内で唯一通年稼働をしている碓氷製糸株式会社に対して県と連携した支援を継続し、織物業が盛んな桐生市との連携や絹織物産業などとの提携を視野に入れ、高品質化と高付加価値化による新たな製品づくりを通じた養蚕・製糸業の体制強化を図ってまいります。

 臭気防止対策につきましては、新たに畜産農家が購入する臭気防止剤購入費に対して補助を行い、更なる臭気防止対策を推進してまいります。
 また、悪臭防止法に則った群馬県の基準による臭気測定を新たに実施してまいります。

 耕作放棄地対策につきましては、早生桐に加え、新たに実、葉、枝などすべての部位の商品化が可能なオリーブの栽培を推奨する事業を導入し、農家の収益確保と耕作放棄地解消に向け取り組んでまいります。

 市産材の利用促進につきましては、市産材のブランド化と活用策について研究を進めるとともに、市産材の地産地消の推進と高付加価値化による活用促進の取組を行ってまいります。

 有害鳥獣対策につきましては、鳥獣対策捕獲隊などによる委託業務と並行して、ICTやIoTを活用した鳥獣の捕獲対策により、農作物や生活環境への被害防止の取組を促進してまいります。

 ヤマビル対策につきましては、坂本地区や松井田城址周辺などをモデル地区として選定し、駆除に向け取り組んでまいります。

 観光振興につきましては、来訪者に「何度も訪れたい・住みたい」と思ってもらえるような取組を進め、新たな観光動線の構築として、廃線ウォークナイトコンテンツを創設し、軽井沢町との真の連携を図る取組を進めてまいります。

 磯部温泉の活性化につきましては、古くから地域とともにある「温泉、竹林、碓氷川」を新たな和文化として価値を再定義し、現代版の温泉街として再構築するため、協議会を設置し、磯部温泉の賑わいの創出を図ってまいります。
 また、バリアフリー化についても検討してまいります。

 秋間梅林の振興につきましては、「秋間梅林活性化協議会」において、マルシェやキャンプイベントなどを開催するとともに、イルミネーションを実施し、昼だけでなく、夜のイベントも開催してまいります。
 また、新年度は「全国梅サミット」が本市で開催されますので、さらに秋間梅林を全国にPRしてまいります。

 碓氷峠周辺の活性化につきましては、新年度は碓氷峠の森公園においてオートキャンプ場、ドッグラン、遊具の導入などを図り、重要な観光拠点として全国からの誘客を図れるよう、新たな指定管理者と共に企画運営を行ってまいります。あわせて、サイクルツーリズムを推進しながら、碓氷峠周辺の魅力を発信し、誘客や地域活性化につなげてまいります。

 道の駅の整備につきましては、基本構想を基に、新年度におきましては、オンリーワンの道の駅として、ここにしかない魅力ある施設となるよう、基本計画を策定してまいります。

 移住・定住の推進につきましては、本市と不動産事業者などで構成する協議会を立ち上げ、移住希望者が知りたい不動産情報をスムーズに提供できる体制を整えてまいります。また、地域コミュニティの課題を掘り起こし解決する住民参加型の仕組み作りとして、「移住・定住アクションプラン」を策定いたします。アクションプランでは、本市における移住・定住のビジョンを示すとともに、課題解決のためのロードマップなどを盛り込み、そのなかで、移住後のサポートに限らず、移住前からサポートできる地域密着型の体制づくりを目指してまいります。

 安中榛名駅周辺の活性化につきましては、地元の意見を聴きながら、市が所有する施設や土地の利活用策を検討してまいります。

7 市民のための健全な行財政運営と 市の魅力向上

 次に、基本目標7「市民のための健全な行財政運営と 市の魅力向上」について、次の施策を推進してまいります。

 「第3次総合計画(案)」につきましては、最重点事業で申し上げましたとおり、市民が計画内容を理解し、市政に参画しやすい環境を整えてまいります。

 庁舎建設事業につきましても、最重点事業で申し上げましたとおり、7年度中の完成に向けて、着実に進めてまいります。なお、建設に当たっては、市産材を活用するなど、本市の魅力発信も図ってまいります。

 DXの推進につきましては、5年度中に新たに策定いたします「DX推進計画」を基に、新年度に全庁的な体制であるDX推進本部を立ち上げ、各分野のDXを積極的かつ計画的に推進してまいります。
 また、新年度では、介護認定審査会におけるペーパーレス会議システムの導入や、建設現場などの監督員業務におけるタブレット端末の活用を図り、ペーパーレス化による経費の削減と業務の効率化を進めてまいります。

 地域におけるデジタル基盤整備につきましては、市内での消費を促し市内経済を活性化させるため、電子地域通貨を導入し、活用の促進を図ってまいります。新年度は、電子地域通貨システムへのチャージでポイントを付与するなどの特典を設け、利用者の拡大を図るとともに、地域経済のさらなる活性化を図るため、事業者の協力をいただきながら、電子地域通貨が活用できる各種の事業を検討してまいります。

 行政手続のオンライン化の推進につきましては、オンライン申請が可能な手続きを増やすため、現在の電子申請システムを更新し、市民の利便性の向上を図ってまいります。
 また、本年1月に大幅に機能を拡充した市公式LINEにつきましては、情報発信を強化するため積極的に活用するとともに、市と市民をつなぐコミュニケーションツールとしての活用も図ってまいります。

結びに

 以上、多岐にわたり新年度の新たな施策を中心に、施政方針及び重点事業について申し上げました。

 本市は、令和8年3月18日に合併20周年を迎えます。新年度は合併20周年の記念事業などに向けた準備を始め、機運の醸成を図ってまいります。
 また、懸案事項であります旧国道18号めがね橋先の通行止めは、来月末までの復旧を目指して群馬県安中土木事務所をはじめとする関係者の皆様にご尽力いただいており、感謝申し上げます。通行止めが解除された際には、円滑な交通による地域の活性化や経済の発展を目指してまいります。

 新年度は、あらゆる政策を総動員し、輝かしい未来に向けた「まちづくり元年」として、各種の施策を積極的に展開してまいります。
 議員の皆様及び市民の皆様には、市政に対するご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

令和6年2月28日
安中市長 岩井 均

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