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令和7年度 施政方針

ページID:0018826 更新日:2025年2月27日更新 印刷ページ表示

 本日、令和7年第1回安中市議会定例会に当たり、議員の皆様及び市民の皆様に対し、令和7年度における施政方針及び重点事業について申し上げます。

はじめに

 本市は、来年3月18日に安中市と松井田町が合併して20周年という大きな節目を迎えます。これも、議員の皆様や市民の皆様のご協力の賜物であり、この場をお借りして、深く感謝申し上げます。

 これまでの間、市の魅力を高めるために様々な分野で多くの取組を進めてまいりました。近年においては、子育て支援といたしまして、マタニティサポート給付金事業や、高校生世代までの医療費無償化、公立碓氷病院における小児科医2名の確保など、多種多様な取組を進めてまいりました。
 市民の利便性の向上といたしましては、電子申請システムなどによる手続のオンライン化や、「よりそいコーナー」、「ゆりかごコーナー」などのワンストップ手続コーナーの設置を実施し、市民の負担軽減に取り組んでまいりました。
 市内経済の活性化といたしましては、6年度は市内のみで使用できる電子地域通貨「UMECA」を導入したほか、企業誘致の取組も進めております。
 情報発信といたしましては、LINEやX、インスタグラムといったSNSに加えて公式YouTubeチャンネルにおいても積極的な情報発信を行っております。また、記者発表を現在は月2回実施し、発表件数も大幅に増加したことにより本市の取組が市外の人の目にも留まることが増えてきていると実感しております。
 これまでの期間を礎に、今後もより豊かで魅力ある安中市になるよう様々な施策に取り組み、安中市の存在や価値を高め、「住んで良かった」と市民が誇れるまちを目指してまいります。

 財政面につきましては、ふるさと納税事業において5年度の寄附額が県内12市でトップであったなど、順調に自主財源の確保に努めているところであります。しかしながら、原材料価格や労務単価は、今後においても継続的に上昇していくと予想され、これまで以上に厳しい局面を迎えると想定しております。
 また、既存施設の老朽化による維持補修費の増加とともに、進行中の新庁舎建設をはじめ、西毛総合運動公園の改修など大型事業の実施が予定されており、これらの事業の財源として多額の地方債の発行が見込まれる状況です。
 このような厳しい財政状況下ではありますが、市民サービスの向上を図る取組を停滞させるわけにはいきません。多様化する行政に対する要望に応えつつ、健全な財政を維持するためには、効果的かつ効率的な財政運営が求められます。そのため、新年度の予算は「選ばれるための政策総動員予算パート2~未来へつなぐ拠点づくり~」をテーマに掲げ、政策を積極的かつ効果的に実施してまいります。
 そこで、新年度の予算編成は、市政発展と強靭で持続可能な行財政運営の両立を目指し、一般会計の予算規模を前年度比13.1%増の326億2,000万円といたしました。また、公営企業会計を除く特別会計は前年度比0.4%減の141億3,659万6千円、公営企業会計は前年度比5.0%増の85億5,342万5千円といたしました。
 財源の見通しといたしましては、市税収入を前年度比9.0%増の113億6,826万9千円、地方交付税を前年度比2.2%減の22億円、市債を前年度比13.3%増の37億2,430万円と見込んでおります。また、7年度末の市債残高は6年度末見込みと比較し8.5%増の202億6,122万1千円を予定しております。
 新年度は、市単独事業を可能な限り抑制し、国や県の財源を最大限に活用することで歳入の確保を図りました。その上で、真に必要な施策を積極的に盛り込んだ予算となっております。
 なお、新年度内に新庁舎建設や防災行政無線システム更新などの一時的な大型事業が完了する予定であることから、8年度においては、予算規模は減少すると見込んでおります。​

 

新年度の最重点事業

 まず、新年度における最重点事業を申し上げます。

 1つ目は、「あんなか再起動プロジェクト」における進捗管理です。本プロジェクトについては、全庁的な取組として、分科会及び本部会議において公約実現に向けての協議を重ねてまいりました。「短期」、「中期」、「中長期」と位置付けた97項目の公約事項のうち、6年度末には62項目達成する見込みであり達成率は約64%となる予定です。「短期」に位置付けた44項目は既に達成しており、新年度は「中期」に位置付けた項目の完了年度となりますので、目標達成に向けて全庁を挙げて取り組むとともに、「中長期」に位置付けた項目についても、引き続き進捗管理を徹底してまいります。

 2つ目は、庁舎建設事業です。庁舎建設事業につきましては、既に着工し、新年度中の完成に向け着実に推進しております。環境に配慮し、新しいまちづくりの核となる“既存庁舎を活かした機能的で「シンプル・コンパクト」なSDGs型庁舎”を目指すとともに、可能な限りコストを抑え、将来の財政負担を減らすことを最優先とし、8年度の開庁に向けた準備を進めてまいります。

 3つ目は、合併20周年記念事業です。合併20周年を迎えるに当たり、新年度1年間を事業年度と位置付け、市民の一体感を高め、更なる飛躍を目指すことを市内外にアピールするべく、8年3月に予定している記念式典をはじめ様々な記念事業を実施してまいります。

第3次総合計画における7つの基本目標

 6年度から開始した「第3次総合計画」では、まちの将来像を「住んで良かった 豊かで魅力ある元気な 新しいあんなか~さらに、光り輝くまちへ~」としており、将来像を実現するために7つの基本目標を掲げております。

 それでは、各目標における施策につきまして、新たな事業を中心に具体的に申し上げます。

 

1 未来を担う 子どもたちが健やかに育つまち​

 はじめに、基本目標1「未来を担う 子どもたちが健やかに育つまち」について、次の施策を推進してまいります。

 少子化対策につきましては、6年度に「STOP少子化!あんなかプロジェクト本部」及びワーキンググループを立ち上げました。子育て支援を含む少子化対策に関する新年度の予算額においては、前年度比9.5%増の約42億6千万円を見込んでおり、更なる少子化対策に向けた取組を進めてまいります。

 結婚支援につきましては、新年度からは結婚を希望する人に出会いの機会を提供する交流イベントや、婚活のためのスキルアップセミナーを市が主体となって開催してまいります。
 また、若い世代向けにライフデザインセミナーを開催し、結婚・子育てなど将来の様々なライフイベントを自ら考える機会を提供することで、若者の幸せな未来づくりに向けた機運を醸成してまいります。

 不妊及び不育症治療につきましては、6年度に通算助成回数制限を廃止いたしました。また、自己負担額の半額を補助しておりましたが、新年度からは補助上限額まで全額補助し、妊娠・出産への支援を拡充してまいります。

 子育てにおける相談体制につきましては、組織を見直し児童福祉及び母子保健の包括的支援を行う「こども家庭センター」を設置し、切れ目のない相談支援体制の強化を推進してまいります。また、5歳児相談を実施し、保育園・こども園などと連携を図り、出産後から就学までの相談支援体制を整備してまいります。

 保育の体制整備につきましては、集団保育で特別の支援が必要となる「気になる子」支援を開始いたします。幼児に対して早期に手厚い支援を行えるように新たに保育士の人件費を補助することで、保育現場を支援してまいります。
 また、8年度から市内において病児保育が実施できるよう、準備を進めてまいります。

 学童クラブにつきましては、細野小学校の松井田小学校への統合に伴い松井田児童クラブの利用者が増加するため、その受け皿となる松井田第二児童クラブを新設いたします。ほかの学童クラブにつきましても、空調設備の更新を計画的に進めるほか、照明のLED化を行い、保育環境の充実に努めてまいります。

 あんなかスマイルパークにつきましては、今月インクルーシブ遊具を設置いたしました。新年度は、これまでの要望に応えて子育て支援センター「ニコニコ」を日曜日にも利用できるよう週6日営業にするなど利用拡大を図ってまいります。

 次代を担うこども・若者への支援につきましては、新年度から「こども計画」をスタートさせ、「地域で支えあい、未来に羽ばたくこども・若者が健やかで幸せに育つまち」を目指してまいります。

 

2 支え合い 誰もが健康長寿で暮らしやすいまち​

 次に、基本目標2「支え合い 誰もが健康長寿で暮らしやすいまち」について、次の施策を推進してまいります。

 社会福祉の推進につきましては、8年度からを計画期間とする「第4次地域福祉計画」及び「第2次再犯防止推進計画」を新年度中に策定し、市民一人一人が安心して暮らせる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 ひきこもり支援につきましては、これまでの講演会形式からトークイベントに変更し、様々な視点からひきこもりについて理解できるよう実施いたします。また、引き続きひきこもり女子会や家族教室を行い、当事者やそのご家族の相談に応じるとともに、支援の情報発信に努めてまいります。

 高齢者の支援につきましては、買い物支援として、6年10月から松井田町エリアでの移動販売車の運行を開始いたしました。新年度は、市内全域で移動販売車のサービスが受けられるよう運行範囲を拡大してまいります。
 また、ごみ出しが困難な高齢者世帯を対象に、見守りも含めたごみの戸別収集を開始いたします。

 障がい福祉の推進につきましては、在宅重度心身障害者デイサービスふれあいの家の機械浴槽を最新のものに入れ替え、障がい者が安全かつ快適に利用できるよう進めてまいります。

 公立碓氷病院につきましては、経営強化プランに基づき、これまでに小児科常勤医師の増員や歯科口腔外科常勤医師の確保、整形外科や脳神経外科の診療日数増加などに取り組んでまいりました。新年度は医療技術スタッフをより一層充実させ、医療サービスの提供体制強化を図ってまいります。
 また、新規導入する診療案内表示システム及び自動精算機を活用することで、患者の個人情報保護と利便性向上、事務の効率化に努めてまいります。

3 安全・安心で心地よく 住み続けられるまち​

 次に、基本目標3「安全・安心で心地よく 住み続けられるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 防災対策につきましては、防災行政無線システムの更新工事を行い、運用・管理体制の強化を図るとともに、各種システムとの連携により情報配信の一元化を推進し、迅速・円滑な情報発信に努めてまいります。あわせて、新たに情報配信アプリを導入し、更なる情報伝達手段の多重化を進め、避難体制の強化を図ってまいります。
 また、激甚化・頻発化する自然災害に対しては、「自助」「共助」の取組が重要であることから、防災士の養成及び活用の推進により地域住民の防災意識の向上を図るとともに、地域における防災活動の中核を担う自主防災組織の結成及び活動の活性化を図ってまいります。

 防犯対策につきましては、特殊詐欺の被害が多い高齢者を対象にした防犯対策機器の購入費の補助を行うとともに、広報や出前講座、防犯メールなどにより、特殊詐欺に関する情報提供や注意喚起を行ってまいります。
 また、防犯対策や交通事故の減少を目的として防犯カメラを設置してまいります。

 新年度中の公表を目指して策定を進めている「都市計画マスタープラン」、「立地適正化計画」、「地域公共交通計画」の3計画につきましては、それぞれに「まちのまとまり」の維持と、それらをつなぐ公共交通ネットワークの形成を位置付け、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方に基づく集約型都市構造への転換を図ってまいります。
 その具体的な取組として、西毛広域幹線道路とJR信越本線との交差部周辺において、ショッピングモールの誘致に向けた作業を進めてまいります。
 また、これに関連して、JR信越本線の安中駅と磯部駅間への新駅設置に向けた取組を進めてまいります。

 安中南地区における「あたらしいまちづくり」につきましては、6年度に土地区画整理事業を白紙撤回する方針を宣言し、地区の整備に向けた代替手法案を話し合う住民ワークショップなどを開催いたしました。新年度は、現時点での整備状況などにより地区内を更にグループ分けし、それぞれ安全で暮らしやすいまちづくりを目指して、より深掘りしたワークショップを開催してまいります。

 都市計画道路につきましては、新年度に全面的な見直しを完了させてまいります。
 また、西毛広域幹線道路の開通にあたって、市役所周辺道路の渋滞が見込まれることから、渋滞緩和や歩行者の安全を図るため、新年度から街路事業として、都市計画道路下の尻茶屋町線の整備に着手し、詳細設計及び用地調査を実施してまいります。

 公共交通の市内全域への展開につきましては、6年度に松井田町エリアにおいて、AIを使用したデマンド交通の実証実験を行いました。新年度も継続して運行時間帯などを検証し、8年3月の市内全域での本格運行に向け取組を進めてまいります。
 また、デマンド交通の本格運行に合わせて見直しを行う委託路線バスについて、路線網の再編や運賃などの検討を進めてまいります。

4 自分らしく 心豊かに暮らせるまち​

 次に、基本目標4「自分らしく 心豊かに暮らせるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 GIGAスクール推進につきましては、児童生徒一人一人がより主体的に学習に取り組めるよう、効果的なICTの活用を推進していくとともに、業務のICT化を図り、教職員の働き方改革を進めてまいります。また、3年度から使用している一人一台端末の更新を8年度に予定しており、新年度には機器の調達を行ってまいります。

 不登校児童生徒対策につきましては、教育支援センター「せせらぎの家」や校内教育支援センターなどを活用し、児童生徒の多様な学びの場や居場所づくりに努めるとともに児童生徒の社会的な自立に向けた支援を充実させてまいります。

 教育環境の充実につきましては、安中小学校給食室の改築や小学校特別教室への空調設備設置など、安全かつ快適な学習環境を最優先として、適切に整備を進めてまいります。
 また、新年度から、松井田学校給食センターにおいても、最高レベルのアレルギー対策を実施し、食物アレルギーをもつ児童生徒が安全に食べられる給食を提供してまいります。

 文化センターにつきましては、イベント開催時などにおける施設利用者や図書館利用者の利便性の向上を図るため、新年度に安中小学校プール東側に駐車場を整備してまいります。

 スポーツ振興につきましては、安政遠足侍マラソン大会において、6年ぶりに峠コースを復活いたします。また、合併20周年の記念大会としてゲストランナーを招待し大会を盛り上げてまいります。
 さらに、第1回大会が好評だった「碓氷峠Мapleヒルクライム」についても第2回大会を合併20周年記念事業として実施いたします。

 スポーツ施設の整備につきましては、6年度から実施している西毛総合運動公園陸上競技場の改修において、新年度中にインフィールドを完成させ、さらに、陸上トラックの全天候型の工事に着手いたします。

 歴史の道に選定されている「中山道碓氷峠越」につきましては、碓氷関所跡とともに官報告示をもって国指定史跡となる予定です。新年度につきましては、ふるさと学習館において企画展を開催し、追加指定となる碓氷峠を中心に歴史の道「中山道」を紹介してまいります。引き続き中山道碓氷峠越の整備を実施し、保存活用に向けて計画の策定準備を進めてまいります。また、秋には「中山道下り」と題し、国指定史跡となった中山道碓氷峠を解説しながらのウォーキングイベントを開催し、歴史を体感していただく企画も実施してまいります。

 新庁舎建設に伴い発見された町北遺跡につきましては、報告書の作成を進めてまいります。あわせて、東山道駅路などの遺構を現地にマーキングするとともに解説板を設置し、調査成果を広く市民へ周知するなどして、活用を図ってまいります。

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5 豊かな自然を活かし 快適で住みやすいまち

 次に、基本目標5「豊かな自然を活かし 快適で住みやすいまち」について、次の施策を推進してまいります。

 再生可能エネルギーの利用促進につきましては、「地球温暖化対策実行計画」に基づき、住宅用再生可能エネルギーシステムの設置促進に向け補助金を交付しております。新年度は補助対象機器の拡大を図り、資源、エネルギーを賢く使うまちを目指してまいります。

 ごみの減量化・再資源化につきましては、市民、事業者、行政の協働によるごみの減量を推進するなかで、食品ロスをはじめとするごみの排出を抑制するとともに、従来から行っている資源ごみの分別を徹底し、適正な廃棄物処理に努め、循環型社会の構築を目指してまいります。

 空き家対策につきましては、「空家等対策計画」に基づき、空き家に対する様々な課題の改善に向けて、総合的かつ計画的に空き家の適正な管理と利活用を促進させてまいります。

 墓苑管理事業につきましては、区画墓地の使用対象者条件を緩和し、市民が墓地を取得しやすくするとともに、安心して利用できるよう適正に管理してまいります。

 動物愛護につきましては、動物との共生社会の実現に向けた理念を明確にするとともに、ペットの不妊・去勢手術の必要性を周知し、手術費用の補助事業拡大を図り、適正な飼育への関心と理解を深めてまいります。

 水道事業につきましては、自動で検針を行うスマート水道メーターの設置や人工衛星及びAI技術を活用した漏水調査などのDXを推進し、利便性の向上と経営の効率化に努めるとともに、能登半島地震の応急給水で有効性が認められた組立式給水タンクを追加配備し、災害対策に取り組んでまいります。
 また、物価高騰対策として国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、主に一般家庭で利用されているメーター口径13ミリ、20ミリの基本料金の減額を実施してまいります。

 下水道事業につきましては、市内に39か所あるマンホールポンプ施設の監視装置をクラウド型に更新してまいります。クラウド型にすることでスマートフォンからも複数の施設が随時監視可能となることから、パソコンが使用できない災害時においても監視機能を維持し、より迅速で適切な対応ができるよう取り組んでまいります。

6 経済が活性化し 元気で魅力にあふれるまち​

 次に、基本目標6「経済が活性化し 元気で魅力にあふれるまち」について、次の施策を推進してまいります。

 企業誘致につきましては、現在、市内の候補地における地権者との調整、開発に向けた各種調査など、業務の推進を図っております。早期の産業団地の整備が実現できるよう、新年度も関係機関と連携して取り組んでまいります。

 創業支援につきましては、6年度に創業者サポート補助金を創設し、地域での創業を促す体制づくりに取り組んでまいりました。新年度も創業希望者向けの相談会開催や創業者向け融資の利子補給制度などの取組を継続し、「創業するなら安中市」というメッセージを市内外にPRしてまいります。

 商工業振興につきましては、本市における企業の産業振興に対する貢献や成果などを広く周知することを目的として、地域の発展や活性化に貢献した企業への表彰制度を新年度から実施し、企業の発展や企業間でのつながりの強化を促進してまいります。
 また、新年度から、市内事業所において職場の労働環境の向上のための休憩所やトイレなど、女性や高齢者、障がいを持った人も安心して働くことができる施設の整備などに対し助成を行い、誰もが自分の能力を活かし、やりがいを持って働くことができる職場環境の整備を図ってまいります。

 市内企業のPRにつきましては、市ホームページとは独立した特徴のある企業紹介サイト「安中de発見 企業ガイド」を立ち上げ、就職を控える学生や新規就労希望者が市内企業への興味を深め、「安中市で働きたい」と思えるような情報発信に注力してまいります。さらに、地域おこし協力隊と連携しながら、市内企業の隠れた魅力を紹介することにより、市民にとって市内企業が一層身近に感じられるよう取り組んでまいります。

 耕作放棄地対策につきましては、補助金の活用による農地再生の取組を推進するとともに、新たな作物の導入や既存作物の作付けの維持・拡大、オリーブ等植栽推進事業など、地域と連携した持続可能な農業の取組を推進してまいります。

 養蚕・蚕糸振興につきましては、県と協調し、国内最大の製糸企業である碓氷製糸株式会社への支援、及び蚕糸業継承対策補助を継続してまいります。

 市産材の利用促進につきましては、市産材を新庁舎建設に活用するとともに、市内の森林資源の有効活用による環境保全と循環利用により、市産材の地産地消の推進と高付加価値化による活用促進に向けた取組を進めてまいります。

 碓氷峠鉄道施設群の世界遺産登録につきましては、6年度においては、「碓氷峠鉄道施設群世界文化遺産登録有識者会議」を設置し、登録のために必要な施策について審議していただきました。また、今月に開催したシンポジウムでは、有識者会議委員による講演やパネルディスカッションを行い、鉄道施設群の価値や魅力を周知いたしました。
 新年度も、有識者会議や講演会などを開催し世界遺産登録に向け機運の醸成を図ってまいります。

 観光振興につきましては、来訪者に「何度も訪れたい、住みたい」と思ってもらえるような取組を進め、新たな観光動線として、廃線敷きを使ったナイトコンテンツである「МELODIC LIGHT WALK」や碓氷峠を使った様々なイベントを通じて、軽井沢町との真の連携を図る取組を進めてまいります。
 また、新年度も碓氷峠で全日本ラリー選手権を実施するなど、碓氷峠周辺の魅力を全国に発信するイベントを開催し、地域の活性化を図ってまいります。

 磯部温泉につきましては、温泉街の活性化を図るため、「磯部温泉活性化プロジェクト」を設置いたしました。新年度においては当プロジェクトを定期的に開催し、磯部温泉の賑わいの創出を図ってまいります。

 秋間梅林につきましては、5年度に「秋間梅林活性化協議会」を組織し、商品開発や販路拡大、情報発信を行っております。6年度に構築した体験型ナイトウォークの第2弾「BLOOMING LIGHT」を継続して実施するなど秋間梅林の活性化に取り組んでまいります。

 道の駅の整備につきましては、6年度中に策定する基本計画を基に、新年度は新たな委員会を設置し、整備手法の検討を行ってまいります。また、引き続き関係機関や地域との連携を図りながら、ほかにはない魅力あるオンリーワンの道の駅となるよう事業を進めてまいります。

 移住・定住の促進につきましては、6年度中に策定する「移住・定住アクションプラン(あんなかLIVE)」に基づき、新年度から地域活性化に向けた取組をスタートいたします。人口減少や社会の変化に柔軟に対応できるなど、地域が今までどおり維持できる仕組みづくりを目指すとともに、より暮らしやすく、楽しみにあふれるまちづくりに向け、本市の魅力向上に取り組んでまいります。​

 

7 市民のための健全な行財政運営と 市の魅力向上

 次に、基本目標7「市民のための健全な行財政運営と 市の魅力向上」について、次の施策を推進してまいります。

 DXの推進につきましては、8年度に新庁舎で業務を開始することに伴い市民の利便性の向上と行政事務の効率化を図るため、新たなシステムの導入を検討してまいります。
 市民サービスにおけるDXにつきましては、6年度に立ち上げたワーキンググループにおいて、書かない窓口システム及びオンライン施設予約システムの導入の検討を引き続き進めてまいります。
 庁内の業務効率化におけるDXにつきましては、これまで自治体ごとに維持管理していた基幹系システムを、新年度中に全国共通の標準準拠システムに移行し、業務の効率化と経費の節減に努めてまいります。

 地域におけるデジタル基盤整備につきましては、市内での消費を促し市内経済を活性化させるため、昨年12月から電子地域通貨「UMECA」の運用を開始いたしました。新年度は、利用可能な市内店舗及び利用者の拡大を図るとともに、各種給付金事業などとの連携や利用促進キャンペーンなどの取組を進めてまいります。

 市税などの収納率の向上につきましては、未納者に対する資産調査の実施に当たり、金融機関や保険会社への照会についてデジタル処理をするシステムを導入し、事務の効率化を図ってまいります。

 庁舎建設事業につきましては、最重点事業で申し上げましたとおり、新年度中の完成に向けて着実に推進するとともに、8年度の開庁に向けた準備を進めてまいります。

 合併20周年事業につきましては、次の事業を実施してまいります。
 まず、新しいかるた及び「ふるさと人物事典」を制作し、本市の史跡名所や偉人を紹介することで市民の郷土愛の意識を醸成してまいります。
 今年4月にはNHKのど自慢を開催いたします。のど自慢は、昭和49年に当時の安中高校体育館で開催されて以来、実に51年ぶりとなります。市民をはじめ多くの来場者が満足できるよう実施するとともに、本市の魅力を全国に発信してまいります。
 合併20周年記念式典につきましても、最重点事業で申し上げましたとおり、更なる飛躍を目指すことを市内外にアピールすべく8年3月に開催を予定しております。
 なお、ただいま申し上げた事業のほかにも、記念事業を計画しております。市の魅力を高めるとともに地域の活性化に向け、市民とともに盛り上げてまいります。

結びに

 以上、多岐にわたり新年度の新たな施策を中心に、施政方針及び重点事業について申し上げました。

 これからも住み続けたい、住んでみたいと思えるまちにするために、市民の声を市政に反映して、市民に寄り添った施策を実行するとともに、本市の魅力を多くの市内外の人に届けられるようこれまで以上に情報発信を行ってまいります。
 また、今後は新庁舎が開庁し、西毛広域幹線道路が本市において一部開通する予定です。さらに、新駅の設置に向けた取組についても始動いたしました。これを追い風とし、安中市がこれまで以上に発展できるようスピードを重視して各施策を着実に実施し、より輝かしい安中市を目指してまいります。
 議員の皆様及び市民の皆様には、市政に対するご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和7年度の施政方針といたします。

令和7年2月27日
安中市長 岩井 均

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